関係者からのメッセージ
2010年6月25日
「はやぶさ」の運用支援を終えて
地上系担当 小坂 隆征(富士通株式会社)
大気圏再突入の日、私は担当するシステムの動作監視のため事務所にいました。「はやぶさ」打ち上げられてから7年、様々なトラブルに見舞われながらも見事に帰還を果たしました。運用にかかわられた関係者の皆様、お疲れ様でした。また、無事回収されたカプセルにイトカワ由来のものが存在していることを心よりお祈りしております。
私が担当したシステムは、「はやぶさ」から送られてくるデータや地上局の受信状態などから、宇宙機の状態が異常になっていないかを自動で監視し、異常があれば関係者にメールなどで通知するシステムです。「プロの目」による判定を「知識ベース」として蓄え、それに基づいた判断を行います。運用担当者は、管制室のモニタに張り付いていなくても、「知識ベース」に基づいた判断結果を知ることができるようになっています。
現時点での「知識ベース」はまだまだ「プロの目」にはかなわないですが、「はやぶさ」で得られた経験を踏まえ、運用者の負担をより軽減できるよう今後とも精進していきたいと考えております。
筆者紹介
富士通株式会社の小坂隆征さんは、「はやぶさ」の地上系システム、特に探査機の異常監視・通知システム等により運用関係者を強力に支えて下さいました。
小坂さんのご担当は衛星の状態を地上で自動的に監視し、自分で判断して異常があればすぐにメールで知らせてくれる賢いシステム。運用関係者との二人三脚で確実に「はやぶさ」を見守ってきました。小坂さんのツールやシステムは他の科学衛星の運用においても大活躍中です。(delta-V)
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